ビームス クリエイティブディレクター、中村達也氏がセラピアンを使う理由

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セラピアン。日本では決して知名度が高いブランドとは言い難いが、ヨーロッパでは押しも押されもせぬ老舗バッグブランドである。日本に本格上陸を果たしたのは2015年。昨年からはメンズファッションの駆け込み寺ドレスクロージングには欠かせない存在のビームスで取り扱いが始まった。GOサインを出したのは、実際に自身も愛用中だという同クリエイティブディレクター、中村達也氏。毎年何千何百と新たなファッションアイテムを審美する氏に、セラピアンの魅力と真価を伺った。

セレクトショップ、ビームスのクリエイティブディレクター。1963年、新潟 県出身。学生時代のアルバイトを皮切りに、店長やバイヤーを経て現職に至 る。ビームス一筋32年間の、世界が認めるトレンドセッターである。

セレクトショップ、ビームスのクリエイティブディレクター。
1963年、新潟県出身。学生時代のアルバイトを皮切りに、店長やバイヤーを経て現職に至る。
ビームス一筋32年間の、世界が認めるトレンドセッターである。

──(私物の「ステファン」トートを拝見して)いつからお使いですか?

「ビームスで取り扱うことを決めた際に購入したので、1年半ぐらいです。レザーのハンドルに味が出始めていますね。自分はラフに使う方なので、良くも悪くもすぐ年季が入るんです」

──これは、何色になるのでしょうか?

「ダークブラウンですね。ビームスではこの他に、ブラックと17年春夏の新色としてネイビーが展開されます」

──中村さんは、バッグをどのぐらい所有していますか?

「使っていないものも合わせると、20ぐらいでしょうか。意外と面倒臭がりなので着こなしに合わせて毎日持ち替えたりはせず、一度気に入るとしばらくその出番が増えます。最近はもっぱらセラピアン一辺倒ですね」

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──ビームスで取り扱うだけでなく、ご自身でも実際に使ってみようと思った理由を教えてください。

「メンズのトートバッグって横に広がりすぎるものが多いんですよね。僕はそれをあまり見映えが良いと思えないのですが、これはハンドルの付け根4カ所で摘ままれているため収まりがとても良いのです。カジュアルシーンで肩掛けする際は、ちょうど体が真ん中の窪みにすっぽりハマるのもいい。これがデザインの要となっていることにも惹かれました。また、一見ただの四角かと思いきやよく見るとPVCの型押しやハンドルの留め具が全てブランドの頭文字である“S”になっている点、ハンドルの作りがしっかりしており握り心地も非常に良い点、ハイグレードな人工スエードが用いられたライニングが高級感を感じさせる点も心憎いですね」

──オードリー・ヘップバーンが劇中で持っていた、などのウンチクやヒストリーは後押しになりましたか?

「いえ、それは後で知りました。そもそも僕は、格式や背景などにあまり興味がありません。一にも二にも、モノ自体のクォリティありき。僕のバイヤーとしての審美眼は、常にデザインとクオリティ、機能性、そしてそれに見合う価格帯であるかどうかに委ねられています」

──中村さんがセラピアンの存在を知ったのはいつですか?

「ビームスで取り扱いを始める前のピッティ ウォモだったから、2年前でしょうか。そのとき見たのはこれよりも随分と大きくて。日本の通勤事情を考えるともっとコンパクトな方がいいということで、程よい大きさにダウンサイジングしてもらったのです」

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──つまりはビームス別注ということですか?

「別注というよりは、我々のリクエストを踏まえてセラピアンのジャパンスタンダードが作られたという感じでしょうか。内側に施されたジップ付きの仕切りもビームスの発案です」

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──どんなスタイルで携えて欲しいですか?

「ジャケパンスタイルにマッチするのはいうまでもありませんが、例えばデニムにTシャツや、シャツにショーツといった休日の装いにもハマると思います。バッグの見映えが良ければ、ラフな着こなしが格上げされますから。イタリアのバッグだからイタリアンなスタイルに、という固定概念は捨てた方が格好良く持てるでしょうね。あと、スーツに持つのはギリギリといったところでしょうか。日本では一時トレンドにもなりましたが、ワールドワイドに見るとあまり推奨される組み合わせではありません。でも、軽快なセットアップになら合うと思いますよ」

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──最後に、今後の展望などをお聞かせください。

「個人的な嗜好性なのですが、他にはないようなクラッチバッグを企画したいですね。トートバッグももう少し軽いモデルも欲しいです。そんなリクエストしようと考えています。持ち味であるフォルムの美しさや自立性が損なわれることなく軽量化が叶ったら、もう言うことはありません」

ビームスでは中村さんご愛用のトートバッグ他、型押しされたPVCボディが特徴的な「ステファン」のブリーフケースも展開されている。

BEAMS F
住所:東京都渋谷区神宮前3-25-14 1F・2F
電話番号:03-3470-3946
営業時間:11:00〜20:00
定休日:不定休
URL:http://www.beams.co.jp

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ステファン トートバッグ Mサイズ[W42.5×H28×D16cm] 8万6000円(税別)

原稿=瀧川修平 Text/Shuhei Takigawa
写真=多田 悟   Photograph/Satoru Tada